「十六の話」司馬 遼太郎、中央公論社 :

どの文章もすばらしい
いつ読んでも勉強になる本【私の評価】★★☆☆☆
■著者紹介・・・司馬 遼太郎
1923年生まれ。本名、福田 定一。学徒出陣のため大学卒業後、入隊。
終戦後、いくつかの新聞社に勤務。
1960年、『梟の城』で第42回直木賞を受賞。
1961年に産経新聞社を退職し、作家生活に入る。
「竜馬がゆく」「坂の上の雲」「翔ぶが如く」「燃えよ剣」など名著多数。
1996年逝去。
●司馬 遼太郎の16のエッセーをまとめた一冊です。
「洪庵のたいまつ」を読みたくて購入しました。
「洪庵」とは江戸時代、オランダ医学を学び、
適塾という私塾を主宰した緒方洪庵です。
適塾からは、大村益次郎、福沢諭吉などが輩出されています。
・江戸時代の習慣として、えらい学者は、ふつう、その自たくを
塾にして、自分の学問を年わかい人々に伝えるのである。
それが、社会に対する恩返しとされていた。
(洪庵のたいまつ)(p376)
●この本で、意外に収穫だったのが、
司馬 遼太郎がどのように歴史に興味をもったのかということです。
戦地には赴きませんでしたが、日本軍兵士として徴兵された
経験が大きかったようです。
こんなバカなことをする日本人とは何かと歴史を追求しているうちに、
歴史小説家となってしまったというわけです。
・戦い(第二次世界大戦)がおわったとき、当時二十二歳だった私は、
・・・こうも思ったのです。「むかしは、たとえば明治時代は、あるいは
江戸時代は、さらにはそれ以前は、こんなバカなことをする国では
なかったにちがいない」
そのことを検証することに、半生をついやしました。
(文学から見た日本歴史)(p16)
●司馬 遼太郎の見る歴史観、日本への思いが伝わってくる一冊でした。
日本の歴史と司馬 遼太郎に興味のある人にはお勧めです。
★2つとします。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・こんにち、大小無数の国家が、自国民の利益という二十世の神話を
守るために、怪物群のように地球上を横行しています。
どこの国にとっても隣国は、悪魔に似ています。なぜなら、
隣国は、自国にとって荀子の思想でいうところの“利己的欲望”しか
もっていないからです。(訴えるべき相手がいないまま)(p310)
・ただ、さびしく思うことがある。
私が持っていなくて、君たちだけが持っている大きなものがある。
未来というものである。・・・
二十一世紀をたっぷり見ることができるばかりか、そのかがやかしい
にない手でもある。(二十一世紀に生きる君たちへ)(p384)
▼引用は、この本からです。
「十六の話」司馬 遼太郎、中央公論社(1997/1)¥900
【私の評価】★★☆☆☆
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