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2008年06月26日

「父の威厳 数学者の意地」 :86点, 藤原正彦 

父の威厳 数学者の意地 (新潮文庫)
【私の評価】★★★★☆(86点)


■数学者 藤原 正彦さんのエッセー集です。
 膨大なエッセーで読むのが大変でした。

 やはり面白いのは、父親の新田次郎と
 母親の藤原ていのエピソードでしょう。

  ・父は変わらず仕事に励んでいた。出世の方はままならず、
   いつまでたっても課長補佐で、新しい課長はいつも東大卒だった。
   そんな頃、私が東大に合格した。父は大喜びだった。
   「これで東大コンプレックスが半分なくなった。お前みたいなバカでも
   入れるんだからない。」(p48)


■また、アメリカやイギリス生活が長いので、
 国際関係の主張に鋭いものがあります。

 「国際化とは、自国の文化を学ぶことにある」と主張していますが、
 海外生活が長い著者の実感なのでしょう。


■いつもどおり少し毒を持ったジョークもたくさんあり、
 長く楽しめる一冊です。

 出張や旅のお供によろしいのではないでしょうか。
 本の評価としては、★4つとしました。
 
─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・イギリスでは、古いものほど貴いのである。・・・
   レストランなどの店が、看板やドアにSINCE 1830などと書くのは、
   古いことを威張っているのである。これを真似て我が国でも最近、
   SINCE 1990 などというのを見かけるが、こっけいである。(p163)


  ・「本を読まないと偉くなれない」、と
   子供の頃から親や先生に叩き込まれた・・・
   父から「本代だけはケチるな」とも言われていた(p190)


  ・幕末から明治中期にかけて、主に下級武士出身の者がかなり海外に渡航したが、
   彼等の多くは現地の人々の賞賛を博したという。彼らは流暢な英語も、洗練された
   西洋マナーも、世界史や世界地理の知識も、さして持ち合わせていなかった。
   彼らが体得していたのは、古典や漢籍の教養そして武士道精神くらいだった(p217)


▼引用は、この本からです。

父の威厳 数学者の意地 (新潮文庫)
藤原 正彦
新潮社
売り上げランキング: 59795
おすすめ度の平均: 4.0
5 ある意味すごい
5 面白さに星5つ
4 負けず嫌いだった父親
3 武士道
5 藤原節が炸裂

【私の評価】★★★★☆(86点)


■著者紹介・・・藤原 正彦(ふじわら まさひこ)

 1943年生まれ。お茶の水女子大学教授。
 故・新田次郎と藤原ていの次男。

─────────────────

■関連書評■
a. 「国家の品格」藤原 正彦、新潮社
【私の評価】★★★★☆

b. 「遥かなるケンブリッジ」藤原 正彦、新潮社
【私の評価】★★★★★


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2008年06月13日

「世界に誇る日本の道徳力」 :83点, 石川佐智子 

世界に誇る日本の道徳力―心に響く二宮尊徳90の名言
【私の評価】★★★★☆(83点)


■小学校でよく見かける石像:
 二宮尊徳の名言をまとめた一冊です。

 松下幸之助の次に来る人は、
 二宮尊徳ではないかと思えるほど、
 現実に合った知恵を教えてくれます。


■まず、驚くのは、怠惰な農民を支援するためには、
 勤勉な農民を表彰すること、
 そして、怠惰な農民は滅亡するにまかせることが
 秘訣であるとしていることです。

 現代の発展途上国支援において、ODAの資金が、
 結果して悪徳政治が生き延びる手助けをしている
 事実を予言しているように感じます。


  ・衰えた村を復興させるには、篤実精励の良民を選んで
   大いにこれを表彰し、一村の模範とし・・・放逸無頼の
   貧民をさし置いて、離散滅亡するにまかせるのが、
   わが法の秘訣なのだ(p62)


■また、村の再建を依頼されたときには、
 自分の家、田畑を売り、すべてを捨てて
 再建に取り組んでいます。

 再建がいかに困難であり、
 そのためには自らのすべてを賭ける必要があることを
 知っていただけでなく、実行しているわけです。


  ・尊徳が事を起こすときには、つねに退路を断って前進する
   覚悟がありました。・・・ひとたび責任ある立場に立ったとき、
   人はその覚悟が必要です。(p89)


■リーダーは、あるべき姿を100回言える人だといわれます。
 100回でだめなら1000回、
 1000回でだめなら1万回言い続けるのです。

 二宮尊徳も、それを知っており、
 ひたすら村を回って、指導して結果を出しています。


  ・愚かなものでも、必ず教えるべきだ。
   従わなくても怒ってはならない。
   また捨ててはならない。(p189)


■( 二宮尊徳 )は、石像だけではなく
 私たちが深くその思想を学ぶ必要のある人です。

 その尊徳の凄さを垣間見させてくれる良書だと思いました。
 本の評価としては★4つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・小事を嫌って大事を望む者に成功はない(p31)


  ・道は書物にあるのではなく、行ないにある(p155)


  ・いい種も悪い種もすべて自分が蒔いたもの(p112)


  ・賭をして負けるのは、勝とうとすることの変化である。
   商人が不利を招くのは、巨利をむさぼることの変化である。
   脱税や滞納は、しぼりとることの変化である。(p116)


  ・分度とは収入支出のバランス、計画経済をいい、
   予算以上の使い方を分内の財を散らす(p51)


▼引用は、この本からです。

世界に誇る日本の道徳力―心に響く二宮尊徳90の名言
石川 佐智子
コスモトゥーワン
売り上げランキング: 2230
おすすめ度の平均: 5.0
5 金次郎のことは知っていても二宮尊徳先生のことは知っていますか?この本は解りやすくてよい!

【私の評価】★★★★☆(83点)


■著者紹介・・・石川 佐智子(いしかわ さちこ)

 公立中学校教諭として15年間勤務。退職後、
 子育てをしながら家庭児童相談、PTA役員など活動する。
 教育、童話などの著述、講演活動も行う。

─────────────────

■関連書評■
a. 「二宮翁夜話」村松敬司
【私の評価】★★★★☆

b. 「代表的日本人」内村鑑三
【私の評価】★★★★☆


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2008年06月03日

「私塾のすすめ」齋藤 孝、梅田 望夫 :83点, 梅田望夫, 齋藤孝 

私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書 (723))
【私の評価】★★★★☆(83点)


■「声に出して読みたい日本語」の齋藤 孝さんと、
 「ウェブ進化論」の梅田さんの対談です。

 私の興味は、齋藤 孝さんの教育と人生設計の
 考え方に集中しました。


■まずは、齋藤さんの教育観です。

 齋藤さんは大学で教えていますので、
 現場感覚から「ゆとり教育」には真っ向反対です。(私も同感)

 もし、彼が文部大臣になったらどうなるのだろう
 などと思いをめぐらしました。


  ・「ゆとり教育」・・・できる子は、浮いた時間を受験勉強に
   使ってしまう。・・・勉強をやる気のない子は、授業時間数が
   減ったり、なかみがゆるくなった分、その浮いた時間にたとえば
   物理を自分で勉強するということはまず100%ありません。(齋藤)(p66)
   


■そして、齋藤さんの人生設計の方法です。

 自分のモデルとなる人を決めて、
 5年、10年単位で自分の人生を設計していく。
 まさに王道と言えるものです。


  ・齋藤孝「私のロールモデル」・・・
   一人目はナポレオン・・・二人目は、嘉納治五郎・・・講道館柔道
   ・・・三人目はゲーテ(p114)


■対談形式ですので、齋藤さんの考え方がよく伝わってきて
 セミナーのような感覚で読むことができました。

 一流の人の話は、学びが多いですね。
 本の評価としては、★4つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・僕は結構、「無理やり」というのが好きなのです。・・・
   教室から出て行こうとする学生がいます。そうすると
   「ちょっと今出て行こうとした人。ストップ。名前は?
   そのまま出たら、単位はないと思って下さいね」(齋藤)(p80)


  ・僕がいつも言うのは、「五十人にあたれ」ということなのです。
   受けてもらえるのは、五十人あたって一人だ、と。・・・
   自動車の営業だろうが、株だろうが、とにかく、数あたる。(梅田)(p130)


  ・「心で読む読書」、
   心の糧になる言葉をもつ(p154)


  ・やらないことを決める・・・
   ここ五年で一番正しい判断をしたと思っているのは、
   「自分より年上の人に会わない」と決めたことです。(梅田)(p178)


▼引用は、この本からです。

私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書 (723))
齋藤孝 梅田望夫
筑摩書房
売り上げランキング: 81
おすすめ度の平均: 4.5
4 それぞれの分野でとんがっている2人の対談を読んで学んだこと
5 閉じた空間と開かれた空間で仕事をする人の特徴の違いがよくわかる本
5 今の時代の学ぶということ
5 違いがあればこそ
5 見かけとは違って熱かった!

【私の評価】★★★★☆(83点)


■著者紹介・・・齋藤 孝(さいとう たかし)

 1960年生まれ。東京大学法学部、同大学院教育学研究科
 博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。
 著書多数。

■著者紹介・・・梅田 望夫(うめだ もちお)

 1960年生まれ。ミューズ・アソシエイツ社長。
 (株)はてな取締役。

─────────────────

■関連書評■
a. 「座右のゲーテ」齋藤孝、光文社
【私の評価】★★★☆☆

b. 「質問力」齋藤孝、筑摩書房
【私の評価】★★★☆☆


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2008年05月23日

「天才の栄光と挫折」 :86点, 藤原正彦 

天才の栄光と挫折―数学者列伝 (新潮選書)
【私の評価】★★★★☆(86点)


■「国家の品格」の数学者、藤原正彦さんが、
 世界の天才数学者9人の成功と挫折の人生をまとめた一冊です。

 天才の生まれ育った国を実際に訪れ、旅行記として
 その天才数学者の生涯を描写しています。


■天才数学者が育った国家と、その時代背景。
 両親と育った家、学校、先生・・・
 これはもう歴史小説のレベルです。

  ・天才を追う中でもっとも胸打たれたのは、
   天才の峰が高ければ高いほど、谷底も深いということだった。
   栄光が輝かしくあればあるほど、底知れぬ孤独や挫折や失意に
   みまわれている(p252)


■独自の解釈で、時代背景と天才数学者の素顔を描写していく
 筆力に司馬遼太郎を思い浮べました。

 小川洋子さんはこの本を読んで「博士の愛した数式」を
 書いたそうですが、
 この本は超えられなかったように感じます。

 数学者の伝記でありながら、レベルの高い時代小説として、
 本の評価としては★4つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・信心深いニュートンにとって、
   自然は数学の言葉で書かれた聖書であった。(p20)


  ・イギリスは冒険家の国である。・・・ジェームズ・クック、・・・
   ロバート・スコット・・・リビングストン、・・・ヒラリー・・・
   ワイルズには、冒険に命をかけることをいとわない、という民族の
   血が流れていたに違いない。(p238)


▼引用は、この本からです。

天才の栄光と挫折―数学者列伝 (新潮選書)
藤原 正彦
新潮社
売り上げランキング: 61657
おすすめ度の平均: 4.5
5 藤原氏最高の名著
5 美を追い求めた天才達の列伝
5 数学者の人間性を浮かび上がらせる良書
4 人生の幸せ
5 数学は悲哀と共にある

【私の評価】★★★★☆(86点)

■著者紹介・・・藤原 正彦(ふじわら まさひこ)

 1943年生まれ。数学者。
 お茶の水女子大学教授。
 著書多数。

─────────────────

■関連書評■
a. 「遥かなるケンブリッジ」藤原 正彦、新潮社
【私の評価】★★★★★

b. 「国家の品格」藤原 雅彦、新潮社
【私の評価】★★★★☆


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2008年03月26日

「帝国ホテル厨房物語」村上 信夫、日本経済新聞 :82点, 村上信夫 

帝国ホテル厨房物語―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫)
【私の評価】★★★★☆(82点)


■尋常小学校を卒業した十二歳の村上青年は、
 腕の立つコックになろうと決意しました。

 そして、喫茶店の小僧として働き始めます。
 先輩の見よう見まねで料理作りのコツを学んでいきました。

 ・見せには休憩時間がなく、開店中は休まず働く。・・・
  無理して頑張っていたわけではない。料理を覚えたい、
  一人前んありたいという向上心が体中にめらめらと燃え上がっていた。
  何より、仕事が面白くて仕方がなかった。(p41)


■頑張りが認められ、喫茶店の料理長に推薦されたのが、
 当時、フランス料理の先端を走る帝国ホテルです。

 帝国ホテルの調理場に配属された村上氏は、
 洗い場に回されました。


■ここでは「鍋屋」と呼ばれるくらい汚れた鍋洗いが重労働でした。

 村上氏は鍋を洗いながらソースの味を覚えるつもりでしたが、
 コックは塩やせっけんを入れてから洗い場に鍋をよこすのです。
 これでは味はわかりません。


■村上氏は、鍋を徹底的に磨き始めました。
 当時の鍋は内側はきれいでしたが、外側は汚れがついたものが
 多かったのです。

 村上氏は、鍋の外側を時間をかけて磨きこみました。
 そして、だんだんとピカピカな鍋が増えてきました。

 すると不思議なことに、スープが残った鍋が返ってくるように
 なってきたのです。

 ・「おまえには料理人の心がわかっている」と、ぼそっとほめてくれる
  親方もいた。必死の行動が先輩たちに伝わったのだ。うれしかった。
  (p58)


■一流のコックになろうとした村上氏と、
 その決意が行動となったとき、人は助けてくれる。
 そうした人の世の仕組みがわかるような一冊でした。

 一流の人の人生には何か共通したものがある・・・
 と思いながら★4つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・転進のきっかけは、いつも人の縁だった。「ここがいいぞ」と
  勧められ、「こいつは骨惜しみしないやつだから」と
  推薦してくれた。(p49)


 ・若い料理人に与える言葉は何か、とよく聞かれるが、
  私は何よりもまず、「欲を持て」と言うことにしている。
  そして、もう一つの助言は、「急ぐな」である。
  ・・・最も大事なのは基本である。(p203)


 ・異例の抜擢人事で新館料理長に就任したものの、若い料理長の
  やることには反発も強く、ずぶとい神経を持つ私もさすがに
  こたえた。その一方で、腹をくくってもいた。先輩に礼を尽くし、
  立てるところは立てながら、必要なことは果断に実行していった。
  (p141)


▼引用は、この本からです。

帝国ホテル厨房物語―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫)
村上 信夫
日本経済新聞社 (2004/07)
売り上げランキング: 20323
おすすめ度の平均: 4.5
3 抑制のきいた自伝
5 どんどん元気になりながら読み進めます
4 フランス料理の旗手なのか、はたまた虚像だったのか?

【私の評価】★★★★☆(82点)


■著者紹介・・・村上 信夫(むらかみ のぶお)

 1921年生まれ。12歳でブラジルコーヒーに入り、
 銀座つばさグリル、新橋第一ホテルなどを経て、
 1939年帝国ホテル見習い。
 その後、パリのホテル・リッツなどで腕を磨く。
 1958年帰国し、帝国ホテル新館料理長。
 1970年取締役総料理長。
 1996年専務取締役を退任して料理顧問。
 2005年没。

─────────────────

■関連書評■
a. 「鷲の人、龍の人、桜の人 米中日のビジネス行動原理」キャメル・ヤマモト
【私の評価】★★★★★

b. 「ユダヤ5000年の教え」ラビ・マービン・トケイヤー、実業之日本社
【私の評価】★★★★★


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2008年02月13日

「壁を越える技術」西谷 昇二、サンマーク出版 :西谷昇二 

壁を越える技術
【私の評価】★★★★☆(88点)


■進学塾で20年間トップ英語講師を勤める西谷さんの
 一冊です。


■西谷さんが伝えたいことは、
 人生には壁があるということです。

 しかも、壁はあちこちにあり、
 壁を越えていくことが人生なのかもしれません。

 ・小さな壁も大きな壁も
  超える技術は同じ
  君は何度も超えてきたはず(p48)


■しかし、壁があるからこそ
 成長できるというのが人間です。

 成長しようとするからこそ壁が見え、
 そこに悩み、ジレンマが生まれるのでしょう。

 ・うまくいかない現実を踏まえて
  次にどう踏み出すか、
  人生とはこの繰り返しだ。(p26)


■西谷さんも壁を越えてきましたが、
 自分らしさを出してから西谷さんは成功していったようです。

 自分の好きな詩や名言をテキストに挿入してみたり、
 歌を歌ったり、すべては受験生を励ますためです。

 ・お気に入りの詩だけではなく、短い英語の文章も入れてみた。
  文法的にも参考になり、受験生を励ますような文章を探す。
  次にはどんな詩や文章を入れようかと、選ぶのが楽しく
  なってきた。(p66)


■西谷先生が教えているのは英語だけではなく、
 成功哲学なのだと私は思いました。

 学校の授業では決して教えてくれない成功哲学を
 受験生に教えているのは素晴らしいと思います。
 ★4つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・細かいことに一喜一憂せず、
  自分の信念を貫きつつ、
  微調整を繰り返す。(p106)


 ・あなたの現在はあなたの過去の集積でできている。
  過去にやったことが現在のあなたを作っている。(p151)


 ・どんな分野であれ一流の人は、「上には上がいる」ということ
  を知っている。だから自分がいいポジションに立てたとしても、
  決して天狗にはならない。(p92)


 ・私は予備校講師歴二十年以上になる今でも、
  自分の授業にジレンマや迷いを感じたら、
  積極的にほかの講師の授業を見せてもらっている。(p77)


▼引用は、この本からです。

壁を越える技術
壁を越える技術
posted with amazlet on 08.02.13
西谷 昇二
サンマーク (2007/10/11)
売り上げランキング: 7440
おすすめ度の平均: 4.0
3 高い評価のレビューは他にたくさんあるので、あえて批判的なレビューを
1 他の人の評価が高いことに驚いた
5 大学受験講師が書いた自己啓発本

【私の評価】★★★★☆(88点)


■著者紹介・・・西谷 昇二(にしたに しょうじ)

 代々木ゼミナール英語講師。
 1956年生まれ。大学卒業後、フリーター。家庭教師。
 29歳より予備校講師。20年間トップ講師を維持。

─────────────────

■関連書評■
a. 「夢をかなえるゾウ」水野 敬也、飛鳥新社
【私の評価】★★★★★

b. 「人生の目的が見つかる魔法の杖」西田文郎、現代書林
【私の評価】★★★★★


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2008年01月20日

「生物と無生物のあいだ」福岡 伸一、講談社 :福岡伸一 

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)
【私の評価】★★★★☆(89点)


■著者は、米国ハーバード大学医学部の研究員として、
 細胞内部でのタンパク質の流れについて研究しました。

 細胞を研究してきて分かったことは、
 生物というものがいかに精巧であり、
 偉大な適用力を持ったものであるかということです。


■遺伝子の中に含まれた情報をもとに、
 外部から栄養を吸収し、
 絶えず死滅・生成を繰り返し、
 生物としての営みを続けているのです。

 ・私達は遺伝子をひとつ失ったマウスに何事も起こらなかったことに
  落胆するのではなく、何事も起こらなかったことに驚愕するべきなのである。
  動的な平衡がもつ、やわらかな適応力となめらかな復元力の大きさにこそ
  感嘆すべきなのだ。(p272)


■こうした、人間の生物学的な偉大さを教えてくれるだけでなく、
 研究者の世界の実像もリアルに教えてくれます。

 1000円札の肖像となっている野口英世の評価などは、
 ちょっとしたトリビアでした。

 ・イザベル・R・プレセットによる”Noguchi and His Prtrons”
  ・・・によれば、彼(野口英世)の業績で今日意味のあるものは
  ほとんどない。・・・ウイルスは微小すぎて、彼の使っていた顕微鏡の
  視野の中に実像を結ぶことはなかったのである。(p23)


■司馬遼太郎が生物学者になって、
 生物学の世界を語っているような感覚になるほどの筆力でした

 小説としても読めるサイエンスということで、
 ★4つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・もし生命を「自己複製するもの」と定義するなら、ウイルスはまぎれも
  なく生命体である。・・・しかし、ウイルス粒子単体を眺めれば、
  それは無機的で、硬質の機械的オブジェにすぎず、
  そこには生命の律動はない。(p37)


 ・一見、固定的な構造に見える骨や歯ですらもその内部では
  絶え間のない分解と合成が繰り返されている(p161)


▼引用は、この本からです。

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)
福岡 伸一
講談社 (2007/05/18)
売り上げランキング: 39
おすすめ度の平均: 4.0
3 いい意味で期待を裏切られた
5 文章上手い!
5 知的好奇心を刺激する一冊

【私の評価】★★★★☆(89点)


■著者紹介・・・福岡 伸一(ふくおか しんいち)

 1959年生まれ。京都大学卒。ハーバード大学医学部研究員。
 京都大学助教授を経て、青山学院大学教授。分子生物学。
 著書多数。

■関連書評■
a. 「朝食抜き!ときどき断食!」渡辺 正、講談社
【私の評価】★★★☆☆

b. 「病気にならない生き方」新谷 弘実、サンマーク出版
【私の評価】★★★★★


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2007年12月07日

「かしこい人は「器」が小さい」伊吹 卓、大和出版 :伊吹卓 

かしこい人は「器」が小さい―もうひと回り自分を大きくする方法
【私の評価】★★★★☆(86点)


■人間には、器があります。
 人間の器とは、測るに測れぬものですが、
 その人の人生を左右する重要な指標でもあります。

 この本では、( 人間の器 )をテーマに
 著者が自分の経験談を交えて、エッセー風に語ってくれます。


■人間の器を大きくするコツは、
 3つに集約されるのですが、
 それらが、著者の経験談から導き出されるのが、
 本書の素晴らしいところでしょう。

 ・器を大きくするためには・・・
  1 自分をつくる - 自己啓発
  2 自分を捨てる - 我を捨てる
  3 人のために生きる - 奉仕(p126)


■たとえば、著者は若い頃、気が強いタイプでした。
 ですから、筋が通らないことを言う人は、はっきりと
 それは間違っていますと主張していたようです。

 しかし、47歳にして、そうした表面的な強さが、
 人を遠ざけ、仕事を失敗させる原因となっていた
 ことに著者は気づいたといいます。

 腹が立ったら、バカになって、
 「目からうろこが落ちました」と言えるかどうか。
 それが、器なのです。

 ・「腹が立ったら、ありがとう」・・・もとの言葉は、もう少し長いのです。
  「お前がかしこいことは、俺がよく知っている。ここはバカになって、
  人の話をよーく聞け。腹が立ったら、ありがとうと思え。」(p168)


■著者の体験談が多く、充実した内容でした。
 ★4つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・ぺんてるの堀江幸夫社長(当時)は、ひまを見つけては
  問屋や小売店を訪問して、
  「ぺんてる商品に対してお客様から苦情がでてませんか」
  とたずねて回ったというのです。(p52)


 ・人生の方針を立てるには、どのようにしたらよいのでしょうか。
  私の経験からいったら、まず三日坊主をやることです。・・・
  やってみたいことを全部やってみることです。
  私は二十五歳までに三十種類やりました。(p127)


 ・アパレル・メーカーの(株)ワールドの木口衛会長に・・・
  「経営で大切なことは何でしょうか。一つ教えてください」
  といったら、
  「そうですね。人を怒らせたらいかん、ということですね」
  とポツンといわれました。(p150)


 ・結論からいえば「教えたがる人は、程度が低い」のです。
  ・・・「百聞は一見にしかず」「教えることはムダである」
  「体験したことしかわからない」・・・「現場主義」(p165)


▼引用は、この本からです。

かしこい人は「器」が小さい―もうひと回り自分を大きくする方法
伊吹 卓
大和出版 (1997/07)
売り上げランキング: 90414

【私の評価】★★★★☆(86点)


■著者紹介・・・伊吹 卓(いぶき たく)

 1932年生まれ。
 60年電通にコピーライターとして入社。
 66年渡米し、セールスアイディアを研究。
 現在、商売科学研究所会長。

─────────────────

■関連書評■
a. 「出会う人みな、仕事の先生」内海 勝統、サンマーク出版社
【私の評価】★★★★★

b. 「人を惹きつける人間力」ボブ・コンクリン、創元社
【私の評価】★★★★★


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本のソムリエ公式サイト発行者の日記

2007年09月20日

「白洲次郎 占領を背負った男」北 康利、講談社 : 

白洲次郎 占領を背負った男
【私の評価】★★★★☆(86点)


■昭和26年9月8日、サンフランシスコ講和会議において、
 日本はサンフランシスコ講和条約を締結し、
 朝鮮・台湾・樺太・千島を放棄。日本は主権を回復しました。


■受諾演説草稿をチェックするため、
 外務省担当者から次郎の手に草稿が手渡されました。

 しばらくすると、次郎が叫びました。
 「何だこれは!書き直しだ」

 独立した日本首相の演説原稿に、
 占領に対する感謝の言葉が並んでいるばかりか、
 敵国の言葉、英語で書かれたことが許せなかったのです。


■外務省の担当者は、
 この内容は米国から内容を確認してもらったもので、
 書き直しはできないと主張します。

 次郎は、相手国と対等となるこの講和会議において、
 相手国と事前に相談し、相手国の言葉で演説することは何ごとか!
 と激昂しました。

 それから、和紙に毛筆が準備され、
 演説草稿は書き直されたのです。

─────────────────

■白洲次郎とは何なのでしょうか?

 イギリス留学し、ベントレーを乗り回した男
 戦時下の統制会社に反対した男
 憲法改正に携わった男
 電力分割案を推進した男
 通商産業省を作った男

 これほど、面白い日本人も珍しいでしょう。


■この本では、白洲次郎の生涯を追いながら、
 敗戦の占領下から独立国家に復帰した日本の歴史を
 見ることのできます。

 白洲次郎というよりも、
 戦前から終戦までの歴史の背景を学べる一冊ということで
 ★4つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・「日本を甘く見てはいけない。・・・ケーディースは熱弁をふるったが、
  ケナンはまったく取り合わなかった。「・・・それを言うなら
  “ソ連を甘く見てはいけない”というべきでしょう。日本を我々の駒として使い、
  共産主義の防壁にするのが最善の策だってことくらいおわかりでしょう?」
  (p263)


 ・終戦後、六、七年間小学校の子供にまで軍備を持つことは罪悪だと
  教えこんだ今日、無防備でいることは自殺行為だなんていったって
  誰も納得しない。これは占領中の政策にも責任がある。・・・(次郎)
  (『雑感-東北一廻り』「新潮」1952年9月号)(p191)


 ・この発電所の完成は 地元の人々の理解ある協力と
  東北電力従業員の不抜の努力なくしては不可能であった
  その感激と感謝の記録にこれを書く 白洲次郎
  (只見川ダム柳津発電所)(p300)


▼引用は、この本からです。
白洲次郎 占領を背負った男」北 康利、講談社(2005/07)¥1,780

白洲次郎 占領を背負った男
北 康利
講談社 (2005/07/22)
売り上げランキング: 1403
おすすめ度の平均: 4.5
5 規格外の男
5 大局観を持つ人物
5 白洲次郎という人物に興味を持ちました

【私の評価】★★★★☆(86点)


■著者紹介・・・北 康利(きた やすとし)

 1960年生まれ。大学卒業後、都市銀行入行。
 現在、銀行系証券会社勤務。
 中央大学専門職大学院客員教授。


─────────────────

■関連書評■
a. 「失敗の本質」戸部良一、中央公論社
【私の評価】★★★★★

b. 「日本の敗因」小室 直樹、講談社
【私の評価】★★★★☆


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2007年06月08日

「私が一番受けたい授業」上田情報ビジネス専門学校 : 


私が一番受けたい授業」上田情報ビジネス専門学校(2007/03)¥0
【私の評価】★★★★☆


■著者紹介・・・比田井 和孝

 1969年生まれ。大学卒業後、
 1996年上田情報ビジネス専門学校公務員科教師。
 2004年就職課にて、「就職対策授業」(本書の内容)をはじめる。


─────────────────

●専門学校の「就職対策授業」の内容をまとめた一冊です。

 就職対策?

 そういわれないと、就職を目指す学生のための授業とわからないほど、
 内容は「成功法則」の基礎となっています。


●まず、内容が素晴らしい。

 「あいさつ」から始まり、
 本田宗一郎、ディズニーランドの例から
 仕事の大切さを理解させる。

 そして、「ありがとう、感謝します」といった
 良い言葉を使うことの大切さで最後を締めくくります。

 ・「感謝します」の使い方・・・これも、使い方にちょっとコツがあるんです。
  「まだ、そういうことが起こっていなくても
  “感謝します”って言うと、それが現実になるのよ」
  ・・・っておばあさんが言うんですね。(p132)


●私の持論は、義務教育でこそ、成功法則を学ぶべきということです。

 あいさつ、感謝、掃除、よい言葉を使う、自分を認める、
 目的を持つ、紙に書く、声に出す、メンターを持つ・・・

 その基本が、この授業にあるのです。

 ・3つの約束・・・「あいさつ、そうじ、素直」(p3)


●こうした本がほしかった。
 こうした授業が受けたかった。
 公立学校ですべての学生がこういう授業を受けるべきなのだ。

 そう確信して★4つとしました。
 ちょっと感動した一冊でした。

 この本は、こちら↓から申し込むことで
 無料でいただくことができます。(無料、ありえません!)
http://www.uejobi.ac.jp/

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・ウエジョビのそうじは、すべて学生と職員の手で
  行われています。(p63)


 ・松陰先生、こんなことを言ったそうですよ。
  「朝起きたら、玄関の掃除、鳥のエサくれ、布団干し・・・
  そういうことを真剣にやりなさい・・・
  それをやっていたら、いつか自分の役割が必ずわかる。」(p84)


▼引用は、この本からです。
私が一番受けたい授業」上田情報ビジネス専門学校(2007/03)¥0
【私の評価】★★★★☆


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