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2008年05月28日

「動物の値段」 :78点, 白輪剛史 

動物の値段―シャチが1億円!!??
【私の評価】★★★☆☆(78点)


■「動物の値段」を切り口にした、
 動物のトリピアを集めた一冊です。


■トリビア1:
 絶滅の危機にあるフンボルトペンギンの1割が
 日本の動物園で繁殖しており、繁殖しすぎて、
 繁殖制限している動物園がある。


  ・野生のフンボルトペンギンは、絶滅の危機に瀕しているため
   国際的に商取引が禁止されているほどなのに、なぜか日本では
   大繁殖しているのだ。・・・繁殖制限をする意味がわからない。(p75)


■トリビア2:
 カメが絶滅の危機にある。
 それは、中国でカメがガンに効くという噂で
 大量に食べられている。


  ・近年、カメは世界中で激減している。・・・
   それは中国で大量のカメが食べられているということ。(p130)


■へー、と思うトリビアが一杯でした。
 動物業界も大変なのだと思いながら、
 本の評価としては★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・私が動物に興味を持ったのは幼稚園のころ。
   親に図鑑を買ってもらってからだ。(p2)


  ・(クマに)背を向けて逃げてはいけない。なぜなら
   クマには「逃げるものを追いかける」という習性があるからだ。
   しかもクマの走る速さは100メートルを7秒ほど。(p55)


  ・「ヤモリとイモリの違いってなんですか?」
   とよく質問される。答えは、
   「ヤモリが爬虫類でイモリが両生類」(p132)


  ・日本固有の鳥で国鳥に選定されているキジ。・・・
   あれが狩猟のために放鳥されているのだということを
   知っている人がどれだけいるだろうか?(p170)


  ・民間経営の園館は本当に悲惨である。・・・大胆な改革を行った
   旭山動物園の入場者が増加して話題になっている昨今だが、民間の
   施設に同じことをする金はどこにもない。公営動物園だからこそ
   できたことなのだ。・・・失敗したら税金の無駄遣い(p200)


▼引用は、この本からです。

動物の値段―シャチが1億円!!??
白輪 剛史
ロコモーションパブリッシング
売り上げランキング: 106754
おすすめ度の平均: 4.0
3 文庫でいいんじゃないの?
4 「ワシントン君」が語る笑えてためになる動物裏話
5 どうしようもなく面白いエピソードたち

【私の評価】★★★☆☆(78点)


■著者紹介・・・白輪 剛史(しらわ つよし)

 1969年生まれ。
 爬虫類輸入会社「レップジャパン」を設立。代表取締役。

─────────────────

■関連書評■
a. 「あなたのTシャツはどこから来たのか?」ペトラ・リボリ、東洋経済新報社
【私の評価】★★★☆☆

b. 「世界を見る目が変わる50の事実」ジェシカ・ウィリアムズ、草思社
【私の評価】★★★☆☆


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2008年05月27日

「母親に向かない人の子育て術」 :74点, 川口マーン 

母親に向かない人の子育て術 (文春新書 572)
【私の評価】★★★☆☆(74点)


■ドイツ人と結婚し、3人の娘をドイツで育てた
 川口さんのドイツ文化報告です。

 3人の娘を育てた苦労を通じて、
 ドイツの教育事情を垣間見ることができます。


■日本の教育には問題が多いようですが、
 ドイツにおいても教育問題はあるようです。

 ドイツの落第の制度には
 かなり否定的ですね。

 全体としては、両国とも一長一短なのでしょうが、
 こうした教育の差が、国力の差にどの程度影響するのかは
 歴史が証明してくれるのでしょう。


  ・ドイツでは、2005年、25万人の生徒が進級できなかった。
   これは、全生徒数の約3パーセント近い数字だ。・・・
   落第したからといって、心を入れ替えて勉強する子供ばかりとは
   限らないし、突然頭がよくなるわけでもない。(p114)


■私の気になったのは、性教育についてです。
 ドイツでは五年生からやっています。

 「金八先生」のように中学生で妊娠する人もいますので、
 小学生高学年になったら性教育が必要でしょう。


  ・五年生から学校で徹底して教えるのは、エイズの怖さとコンドーム
   の重要性だ。・・・女の子はボーイフレンドができれば、・・・
   必ず事前に婦人科に行き、ピルを処方してもらうようにと指導される。
   (p48)


■「隣の芝は青く見える」と言いますが、
 ドイツの文化という隣の芝を見てみるの

 本の評価としては、★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・日本ではこれから早期エリート教育がますます増えそうだが、
   それが社会全体に及ぼす弊害の可能性を、もう少し真剣に考えた
   ほうがいいと思う。一部のエリートを育てても、過半数がやる気を
   失ってしまえば、社会は発展しない。(p119)


  ・「人は人、自分は自分。自分で一番いいと思ったことを
   すればいい。よく考えて決めたことなら、ママは応援してあげる」
   というのが、ひとことで言えば私の教育方針であった(p72)


  ・ドイツの教師は、休み中に学校へ行ったりは絶対にしない。
   それどころか普段も、勤務時間が終わると生徒と同時に
   まっしぐらに家へ帰る。・・・「ただ働き」はしないのである。(p21)


  ・ドイツは休暇大国である。皆たいてい年間六週間の休みを取る。
   「三週間は続けて休まないと休んだ気分にならない」という
   話もよく聞く。「そんなバカな・・・」と私は心の中で思う。(p160)


  ・プロテスタントの人の多くは、カトリックとは享楽と欺瞞が
   当たり前の二枚舌宗教だと思っているふしがある。・・・
   カトリックとプロテスタントは、つい最近まで何世紀ものあいだ、
   ほぼ間断なく争ってきたのである。(p81)


▼引用は、この本からです。

母親に向かない人の子育て術 (文春新書 572)
川口 マーン惠美
文藝春秋
売り上げランキング: 12555
おすすめ度の平均: 4.5
5 いつもながら読ませる著者の筆致には敬意を払いたい
4 「タイトルは、大失敗!ぜんぜん、合わない。」
5 手抜きはしても愛情は人一倍

【私の評価】★★★☆☆(74点)


■著者紹介・・・川口 マーン(かわぐち まーん)

 ドイツ・シュツットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科卒業。
 シュツットガルト在住。

─────────────────

■関連書評■
a. 「遥かなるケンブリッジ」藤原 正彦、新潮社
【私の評価】★★★★★

b. 「万国「家計簿」博覧会」根岸康雄、小学館
【私の評価】★★★★☆


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2008年04月21日

「本質を見抜く「考え方」」中西 輝政、サンマーク出版 :77点, 中西輝政 

本質を見抜く「考え方」
【私の評価】★★★☆☆(77点)


■海外旅行が普通になって、海外の経験を持つ人が
 増えていることはよいことだと思います。
 海外での経験が、その人の視野を広げるからです。

 その点、著者は学者ではありますが、海外での経験も長いようで、
 視野が広いな~、というのが第一印象です。


■この本でいう「考え方」は、3つに分けられます。
 1つ目は、基本的な考え方。
 2つ目は、欧米の考え方。
 3つ目は、著者の考え方です。


■1つ目の基本的な考え方とは、
 よく私たちが間違えそうな考え方を指摘したもので、
 例えば、「正しいことと効率的なことを分けましょう」
 というようなことです。

  ・「正しいこと」と「効率のよさ」を混同しない(p112)


■2つ目の欧米の考え方とは、
 著者が欧米の経験で感じたもので、
 例えば、欧米の戦略性などです。

  ・やはりイギリスには、外交面で日本人の思考をはるかに超える戦略性が
   あることでした。真珠湾攻撃の十年以上も前から、アメリカもイギリスも、
   着々と日本包囲網をつくっていたのです。(p85)


■そして3つ目の著者の考え方とは、
 著者自身が気をつけている考え方で、
 例えば、「大きく考える」ということです。

  ・国は世の中のあり方は、ほかの誰のことでもない、「わが身」の問題と
   とらえる視点を持って、「大きく考える癖」をつけることが
   重要だということです。(p148)


■このように、海外経験の長い人だけに
 参考となる考え方がいくつかありました。
 本質ははずしていないと思いますので、★3つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・「早く」見つけ、「遅く」行動する(p180)


  ・「和」と「やさしさ」の国だから敵を作らないのではなく、
   「和」と「やさしさ」の国だからこそ、「敵」を知ってその脅威から、
   その美点を守ることを考えなければならないのです。(p24)


  ・いろいろな人とつきあうことで、「欧米人は、自分では絶対実現しない
   とわかっていながら、口では理想論を言うのだ」ということがわかって
   きたのです。彼らは、つねに理念を唱えなくてはならない社会で生きています。
   (p79)


  ・迷っている状態というのは、「将来への投資」です。・・・
   迷いは、本当の学びであり、自分を豊かにするものです。迷ったときこそ大事なとき。
   迷ったときこそ収穫のとき。迷えば迷うほど、思考は深まります。(p91)


  ・私はごく幼少期から、歴史が好きでした。戦国時代の武将の話など、
   少年向きの歴史の本をむさぼるように読みました・・・小学校ニ、三
   年生のころには、カラー刷りの絵入りの歴史物語の本を、友だちと取り合うようにして
   読んだ記憶もあります。(p68)


▼引用は、この本からです。

本質を見抜く「考え方」
中西 輝政
サンマーク出版
売り上げランキング: 3502
おすすめ度の平均: 4.5
5 私が本書から学んだこと
4 いい本と言えるが・・・未来予測は同調できない
4 本質を考えるための方法論を伝授している
4 美しい言葉を疑え
4 どのように「考える」か

【私の評価】★★★☆☆(77点)


■著者紹介・・・中西 輝政(なかにし てるまさ)

 1947年生まれ。スタンフォード大学客員研究員、
 静岡県立大学教授を経て、京都大学大学院教授。
 専攻は、国際政治学、国際関係史、文明史。

─────────────────

■関連書評■
a. 「遥かなるケンブリッジ」藤原 正彦、新潮社
【私の評価】★★★★★

b. 「インテリジェンス武器なき戦争」手嶋 龍一、佐藤 優、幻冬舎
【私の評価】★★★★☆


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2008年04月10日

「王たちの行進」落合 信彦、集英社 :73点, 落合信彦 

王たちの行進 (集英社文庫)
【私の評価】★★★☆☆(73点)


■1988年、東ドイツ。
 そこは、今のチベットのように、
 共産党に支配され、人々の移動の自由はありませんでした。

 厳重な監視体制の中、多くの人が自由を求めていました。
 そうした中で、イギリスMI6などの諜報機関は、
 ソ連崩壊を目指して様々な工作をしていたはずです。


■この本では、日本の商社マンが、MI6の諜報員と関係するうちに、
 東ドイツから3000人の亡命者をハンガリー経由で亡命させる
 工作を行うという設定になっています。

 それも、東ドイツの軍人に賄賂を渡して、
 軍の飛行機でハンガリーに亡命者を運ぶという
 ミッションです。


■ちょっとありえない~という設定でしたが、
 落合さんのことだから、本当にあった話に脚色を加えている
 のかもしれない・・・と思いながら読みきりました。

 ハリウッド映画系のどんでん返しでドキドキできるのと、
 共産主義の怖さを思い出す一冊なので、★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・ドストエフスキーがいっていますよね。
  人々に自由を与えれば彼らは自殺に走ると。
  自由というものが持つ責任に耐えられないんでしょうね。(p204)


 ・共産主義勢力と戦ってきた。ソ連国内にもぐり込んで、グルジア・マフィアや
  ロシアン・マフィアと話を付け、彼らの地下経済を援助することによって、
  ソ連経済にダメージを与えるようなこともした。(p121)


▼引用は、この本からです。

王たちの行進 (集英社文庫)
落合 信彦
集英社
売り上げランキング: 315262
おすすめ度の平均: 5.0
5 生の歴史を感じる
5 熱くなっちゃいます。
5 世紀の始まり

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■著者紹介・・・落合 信彦(おちあい のぶひこ)

 1942年生まれ。
 国際情勢、諜報機関に関係した小説、海外作品の翻訳など。

─────────────────

■関連書評■
a. 「インテリジェンス武器なき戦争」手嶋 龍一、佐藤 優
【私の評価】★★★★☆

b. 「中国・ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日」北野 幸伯、草思社
【私の評価】★★★★☆


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2008年03月25日

「3つに分けて人生がうまくいくイギリスの習慣」井形 慶子、新潮社 :75点, 井形慶子 

3つに分けて人生がうまくいくイギリスの習慣 (新潮文庫 い 74-4)
【私の評価】★★★☆☆(75点)


■日本にも「ハレ、ケ」という考え方がありますが、
 イギリス人は、さらにメリハリをつけているようです。


■まず、服装です。
 日本人もその場面に合わせて服を選びますが、
 イギリス人の夜の服は特に派手で、カッコイイのです。

 ・夜の予定がある人は行員から会社役員まで皆、いったん家に
  もどり、自宅やレストランで繰り広げられるパーティーや
  ディナーのため、シャワーを浴びて夜用の服に着替えるのです。(p50)


■季節は日本の4つではなく、3つに分けます。

 1~4月が「変化の時」
 5~9月が「ホリデーシーズン」
 10~12月が「パーティーシーズン」です。

 5~9月は天候がよいのですので、
 楽しめる季節なんですね。

 ・1月から4月は転職して新しい仕事に就いたり、スポーツを始める
  など・・・「変化の時」・・・5月から9月までは「ホリデーシーズン」。
  ・・・夜を中心に生活を謳歌します。・・・10月から12月までが、
  「パーティーシーズン」。


■個人的には、社員を自宅に呼ぶ習慣のところが
 興味を引きました。
 家内の協力があれば、私もやってみたいものです。

 ・イギリスの人々が自宅でのビジネスディナーで人をもてなすのは、
  たとえば会社の上司が社内で頭角を現してきた社員に昇格を
  告げる場合です。(p105)


■「イギリスから学ぶイギリス人の知恵」といった
 趣の一冊でした。

 イギリス経験の豊富な著者だからこその
 一冊ということで★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・私は講演など大勢の前に立つときは、ほとんど黒いスーツを
  選びます。・・・私にとってのこの勝負服(p48)


 ・イギリスの人々は独身、既婚を問わず、自分がたったひとりになれる
  パーソナルスペースと呼ばれる空間を持っています。・・・手入れをする
  庭、腰かけてただ風に吹かれて時を過ごす公園のベンチ(p66)


 ・スランプに陥ると、イギリス人の大学教授が語った「人の真の力は、
  物事がうまくいっている時ではなく、失敗したり挫折した時、
  どう対応するかで決まるんだ」という言葉を思い出します。(p73)


 ・世界各国に散らばる取引先の担当者が訪英するたび、一晩は必ず
  自宅ディナーに招待すると言っていました。・・・歓談しながらも
  鋭い観察眼でチェックし、この人が契約するにふさわしい相手かどうかを
  判断するのです。(p108)


 ・私も冒頭で紹介した雑誌編集長のように、社外に何人かの
  相談相手を用意して、原稿を書く時にも「セカンドオピニオン」を
  役立てています。・・・「2番目の考えが最善である」という
  ことわざまであります。(p118)


▼引用は、この本からです。

3つに分けて人生がうまくいくイギリスの習慣 (新潮文庫 い 74-4)
井形 慶子
新潮社 (2007/10)
売り上げランキング: 61246
おすすめ度の平均: 4.5
4 なるほど3つにね
5 井形さんの本はいつも示唆に富んでいます
5 目からうろこが落ちた

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■著者紹介・・・井形 慶子(いがた けいこ)

 大学在学中から出版社でインテリア雑誌の編集に携わる。
 60カ国で流通する外国人向け情報誌「HIRAGANA TIMES」を創刊。
 28歳で出版社を立ち上げ、情報誌「ミスター・パートナー」を創刊。
 渡英経験は70回を超える。著書多数。

─────────────────

■関連書評■
a. 「鷲の人、龍の人、桜の人 米中日のビジネス行動原理」キャメル・ヤマモト
【私の評価】★★★★★

b. 「ユダヤ5000年の教え」ラビ・マービン・トケイヤー、実業之日本社
【私の評価】★★★★★


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2008年02月16日

「最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか」ジェームズ・R・チャイルズ、草思社 :ジェームズ・R・チャイルズ 

最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか
【私の評価】★★★☆☆(75点)


■この本では、20以上の大規模事故の経過と
 その原因が説明されています。

 ・海洋石油掘削装置オーシャンレンジャー沈没事故(1982年)
 ・スペースシャトル・チャレンジャー爆発墜落事故(1986年)
 ・ハッブル宇宙望遠鏡の主鏡研磨失敗(1990年)
 ・英国航空機の操縦席窓ガラス脱落事故(1990年)
 ・北海油田掘削プラットフォーム、ハイパーアルファの爆発事故(1988年)


■この本で説明される事例を読んでわかるのは、
 起こりえないようなミスの連鎖が
 実際には起こるということです。

 また、それを指摘する人がいても、
 必ずしもその指摘が採用されることはないということです。

 ・「乗務員のうちでもっとも安全に必要なのは、ずけずけとものがいえる
  腕ききの副操縦士だ」とタロウは言う。(p363)


■技術が巨大化し、その失敗が悲惨な結果をまねいてしまう今、
 それを管理する人間は、より保守的に判断し、
 安心・安全を考えなくてはならないのだと思いました。
 ★3つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・Oリングのゴムに作用した寒気、いいかげんな接合部分の設計、
  支柱部分へのひずみの集中、このすべてが組みあわさって、
  チャレンジャーを墜落させるような穴があいたのだ。(p132)


 ・信じがたいほどの不具合の連鎖(p31)


▼引用は、この本からです。

最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか
ジェームズ R・チャイルズ 高橋 健次
草思社 (2006/10/19)
売り上げランキング: 2631
おすすめ度の平均: 4.5
3 それでも教訓を生かせない私たち
5 事故事例と防止事例
5 多くの事例から事故のエッセンスを導き出した書

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■著者紹介・・・ジェームズ・R・チャイルズ

 1955年生まれ。米国の技術評論家。
 科学技術に関する記事を雑誌に寄稿している。

─────────────────

■関連書評■
a. 「工場はなぜ燃えたか?」丸田 敬、エネルギーフォーラム
【私の評価】★★☆☆☆

b. 「失敗の本質」戸部良一、中央公論社
【私の評価】★★★★★


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2008年01月29日

「となりの韓国人」黒田 福美、講談社 :78点, 黒田福美 

となりの韓国人 傾向と対策 (講談社文庫)
【私の評価】★★★☆☆(78点)


■日本人が海外で仕事をすると、
 日本の仕事のやり方を標準として考えると、
 イライラすることがよくあるはずです。

 細かな計画を立てて、それを実行していくのは
 当然と思えるかもしれませんが、
 それを普通に実行できる国は少ないのです。

 ・韓国人は取りあえず「努力して最善を尽くした」ことをもって
  良しとする。・・・しかし、いつでもいきなり百点を目指す日本人には、
  韓国人のそういうやり方はどうにも怠慢に見え・・・苛立ってしまう。(p8)


■著者は、日韓のテレビ番組や、合作ドラマなどに出演しながら、
 韓国と二十年以上にわたって係わってきました。

 実際に韓国で生活し、仕事をしてみると、
 日本と韓国の文化に違いに驚く一方、
 日本人の偏見にも気づくことがあったようです。

 ・日本では合議制で様々な手続きをふみ、各方面の了解と許可を
  とってから決定されることが、韓国ではトップにいる人の「鶴の一声」
  で決まるということがおうおうにしてある。・・・けれどもしその
  「鶴の一声」が通用しなかった場合は悲惨だ。(p31)


■この本では、著者の実体験をもとに、
 韓国人の良いところ、悪いところ(理解しにくいところ)を
 実例をもって教えてくれます。

 たとえば、分かち合うことをよしとする韓国人と日本人が一緒に住むと、
 韓国人は自分のものは相手のもの、
 相手のものは自分のものといった行動をとるということなどは、
 人から言われて理解できる範囲を超えているはずです。

 ・下宿の一部屋に韓国人と日本人の学生が相部屋で住んでいるとしよう。
  ・・・李君はしょっちゅう太郎君が買い置きしておいたものまで食べてしまう。
  ・・・「分かち合い文化圏」の李君にとっては、「君のものは僕のもの」と
  いってもいいくらい所有権の境界がぼやけているのだ。(p87)


■この本では、韓国文化の紹介が中心となっていますが、
 韓国文化の特色を教えてもらうなかで、
 日本の特殊性についても気づくきっかけになると思いました。

 海外で仕事をする可能性のある人、
 海外旅行が好きな人にお勧めします。
 ★3つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・彼らにとっては喧嘩さえも相手の腹の底まで理解しようとする
  「コミュニケーション手段」の一つなのだ。・・・しかし日本の
  社会では「率直に意見を述べる」とそれだけで「気が強くて難しい人」
  だと敬遠される。(p16)


 ・韓国では「冷や飯」は食べないというこだわりがある。・・・
  そんな彼らの目には、日本人がおにぎりと缶入りのお茶なんかで
  食事を済ませる姿は、超悲惨で「貧しく不健康な食事」(p43)


 ・「兵役が二十六ヵ月ってホント?」「ええ・・・」・・・
  「・・・休みってないの?」「あります。年に十日くらい」・・・
  「・・・お給料ってあるんでしょう・・・」「・・・千円くらいかなあ」
  「一日に?」「いえ、一月に」(p200)


▼引用は、この本からです。

となりの韓国人 傾向と対策 (講談社文庫)
黒田 福美
講談社 (2006/07/12)
売り上げランキング: 30350

【私の評価】★★★☆☆(78点)


■著者紹介・・・黒田 福美(くろだ ふくみ)

 1956年生まれ。大学卒業後、映画、テレビドラマなどで
 活躍する一方、芸能界きっての韓国通。
 88年ソウルオリンピックでは韓国番組を数多く企画。
 99年、02年のFIFAワールドカップでは日本組織委員会理事。

─────────────────

■関連書評■
a. 「日本人を冒険する」呉 善花、PHP研究所
【私の評価】★★★★☆

b. 「日本人 中国人 韓国人」金文学、白帝社
【私の評価】★★★☆☆


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2007年11月08日

「僕の見た「大日本帝国」」西牟田 靖、情報センター出版局 :西牟田靖 

僕の見た「大日本帝国」―教わらなかった歴史と出会う旅
【私の評価】★★★☆☆(73点)


■「大英帝国」という言葉があったように、
 「大日本帝国」という言葉がありました。

 大日本帝国とは、日本、台湾、朝鮮半島、サハリンの南半分、
 そして太平洋の島々からなる国家です。

 ・戦前のアジア太平洋地域の地図を見ると、日本の領土が現在より
  ずいぶん広いことに気がつく。朝鮮半島や台湾、サハリンの南半分、
  そして太平洋の赤道のあたりまでが日本領となっているのだ。(p17)


■著者の西牟田さんは、この「大日本帝国」の地図を見て、
 これらの日本領であった国々を旅してみようと決心しました。

 短期間の旅で、現地の実際の姿を知ることはできないでしょうが、
 現地に行かないよりは、より現実に近づけるはずです。


■南の島には、日本へのアメリカ侵攻を防ぐために、
 少ない武器で、玉砕していった人たちの名残がありました。

 日本の国のために自分の命を捧げた人たちがいた
 という事実を私たちは知らなくてはなりません。

 ・(ペリュリュー)神社には敵将ミニッツ提督の言葉の彫られた碑もあった。
  「この島を訪れるすべての国の人よ。この島を守った日本軍将兵が、
  いかに勇敢に祖国愛に燃えて戦い、玉砕したかを語り伝えよ」(p354)


■最近、沖縄で集団自決を日本軍が強制したという記述が
 教科書から削除されて問題になりましたが、
 気持ちはわからないではありませんが、
 日本軍がすべて悪いというのは、現実とは違うように感じました。

 ・そのころの日本人はアメリカ人など見たことがない人が多かったし、
  捕まったら殺されると思っていたのは仕方のないことなのかもしれない
  (その後終戦直前にソ連軍がなだれ込んできた満州では現実に地獄絵図が
  繰り広げられたのだ)。(p380)


■戦前は、日本の軍事力をちゃんと把握していませんでしたが、
 今は、愛国心の大切さをちゃんと把握していないように感じます。

 反日・愛国などということではなく、
 日本の歴史と、日本を考えるために良い本だと思いましたので、
 ★3つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・「特攻隊の人たちは精神が純粋で『お国のために』と思っていましたから、
  任務を疑問に思っている人は見かけませんでした」(台湾の鄭さん)


 ・満州から来た日本兵に、食いものと女持ってこい、と怒鳴られたこと
  もありましたよ。・・・日本は戦争に負けてしまったが、日本が戦った
  からこそアジアが列強から解放されたとう側面もあったんだよ。
  (韓国の張さん)(p172)


 ・グアムを除く島々は二十世紀の前半、南洋群島と呼ばれ、
  三十年ほどの間、日本に統治されていた。ドイツ領だった
  ミクロネシアを日本が無血占領したのは1914年(大正3年)、
  第一次大戦中のことだった。(p331)


▼引用は、この本からです。

僕の見た「大日本帝国」―教わらなかった歴史と出会う旅
西牟田 靖
情報センター出版局 (2005/02)
売り上げランキング: 35115
おすすめ度の平均: 4.0
2 ただの旅行記。
5 等身大のアジアがそこにある!
1 旅行記としては★5つ

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■著者紹介・・・西牟田 靖(にしむた やすし)

 1970年生まれ。8か月会社員として勤め、
 地球一周の船旅に出て、ライターとなる。
 タリバン支配下のアフガニスタン侵入、
 空爆停止直後のユーゴスラビア突入など
 挑戦的な旅を続ける。

─────────────────

■関連書評■
a. 「台湾人と日本精神」蔡 焜燦、小学館
【私の評価】★★★★★

b. 「梅干と日本刀」樋口 清之、祥伝社
【私の評価】★★★★★


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2007年07月13日

「ナチスの発明」武田 知弘、彩図社 : 

ナチスの発明
ナチスの発明」武田 知弘、彩図社 (2006/12)¥1,470 【私の評価】★★★☆☆(71点)


■著者紹介・・・武田 知弘(たけだ ともひろ)

 1967年生まれ。大学中退後、塾講師、出版社勤務を経て、
 2000年からフリーライターとなる。
 裏ビジネス、歴史の秘密など著述活動を行っている。


─────────────────

ロケット、ジェット機、ヘリコプター、聖火リレー、
 高速道路、テレビ電話、合成ゴム、テープレコーダー・・・

 なんとこれらを開発したのは、
 「ナチス・ドイツ」です。

 ナチス時代に、数多くの科学・技術が
 開発・実用化されました。

 ・世界で最初に、一般向けの定時テレビ放送をはじめたのは
  ナチス・ドイツである。・・・現代にも通じるような
  娯楽番組が用意された。(p54)


●ナチス・ドイツは、第一次世界大戦敗戦による大不況のドイツを
 大規模公共事業と大減税により復活させます。

 また、大衆のための自動車開発、娯楽の提供、
 オリンピックの開催など、
 国民の支持を得るだけの実績を作っていました。

 ・フォルスク・ワーゲンンは、ナチスとポルシェの合作である。
  ヒトラーはもともと大衆車を作りたいと、熱望していた。(p101)


●ナチス=ユダヤ人虐殺の極悪非道という
 イメージがありますが、
 ナチスは、国民の支持を得た政党であったわけです。

 ・ユダヤ人を迫害したのは、実はナチスが最初ではない。・・・
  ユダヤ人から様々な権利を剥奪し、結婚や出産も制限する、
  これはキリスト教国の多くが行ってきたことだった。(p162)


●近代史を学びたい人、イメージだけではなく、
 歴史の事実をバランスよく知りたい人にお薦めします。
 ★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・労働者クラスの人たちは、とてもバカンスなど取れるものではない。
  しかしバカンスを、だれでも取れるようにしていた国がある。
  ナチス・ドイツである。(p106)


 ・ナチスが国民の指示を集めた理由の1つに、共産主義への恐怖がある。
  ・・・当時の共産主義は、革命のために武力、暴力を使うことを
  いとわなかったので、共産主義者による破壊活動や誘拐、殺人が
  日常茶飯事に起きていた。(p158)


 ・ローリング・ストーンズのミック・ジャガーは、党大会の模様を
  収めた映画「意志の勝利」を15回以上も見て、ヒトラーの
  パフォーマンスからファンを陶酔させる手法を学んだ(p20)


▼引用は、この本からです。

ナチスの発明
ナチスの発明
posted with amazlet on 07.07.15
武田 知弘
彩図社 (2006/12)
売り上げランキング: 9864
おすすめ度の平均: 3.5
5 ナチスが生み出した「正」の遺産
3 ナチスによる支配を成立させた時代の「ドイツ」とはどんな社会だったのか、どんな技術をもっていたのか
2 「ナチスの発明」の定義が不明

【私の評価】★★★☆☆(71点)


■関連書評■
a. 「超速!最新日本政治外交史の流れ」竹内 睦泰
【私の評価】★★★★☆

b. 「そうだったのか!現代史」 池上 彰
【私の評価】★★★☆☆


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2007年06月07日

「日本の死体 韓国の屍体」上野 正彦、文國鎮、青春出版社 : 


日本の死体 韓国の屍体」上野 正彦、文國鎮、青春出版社(2002/05)¥1,360
【私の評価】★★★☆☆


■著者紹介・・・上野 正彦(うえの まさひこ)

 1929年生まれ。
 1959年東京都監察医務院監察医となり、1984年同院長になる。
 1989年退官後は、法医学評論家として活躍。


■著者紹介・・・文國鎮(ムーン・ゴクヂン)

 1925年生まれ。
 1955年国立科学捜査研究所法医学科医務官となり、
 1967年同科長。その後、高麗大学教授などを歴任。
 大韓法医学会名誉会長、高麗大学名誉教授。


─────────────────

●日韓における死体解剖の権威であるお二人の対談です。

 日本では病院で亡くなるような場合を除き、
 変死体ということで、検視、解剖が行われています。


●ただし、監察医が変死体を確認するのは、
 東京、横浜、名古屋、大阪、神戸であり、
 その他の地方は警察医が確認します。

 しかし、警察医は警察の近くで開業している医師なので、
 それほど能力は高くないようです。

 ・日本の地方の警察医のレベルもあまり高くありません。
  単に警察の近くで開業している医師ですから。・・・
  だから地方ではいろいろな事件の見逃しがあって、数年前の
  あの事故は実は保険がらみの殺人事件だったというようなことが
  よくあります。(上野)(p107)


●一方、韓国では、犯罪に関係すると見られる死体だけが解剖される
 ようですが、国民感情として解剖を忌み嫌うことから、
 医務官は大変な仕事のようです。

 解剖される家族、国民全員が、
 解剖に反対するような雰囲気だからです。

 ・実は、死体を解剖しようとして斧で殺されかかったことがありました。
  ・・・「死体解剖をすると二度死ぬことになる」と言ってみんなが解剖
  されるのを忌み嫌うわけです。(文)(p16)


●また、面白いのは、日本は病院で死ぬことが多いようですが、
 韓国では必ず死ぬ前に家に連れて帰るそうです。

 死が近づいたら治療をやめて家に帰るのですから、
 これは一種の安楽死なのかもしれません。

 ・日本では、病院で死ぬのが当たり前になっていると言うが、
  韓国人は、家族が病院で死ぬことを極端に忌み嫌う。(文)(p4)


●人の顔形は似ている日本と韓国ですが、
 まったく文化も考え方も違う国ということがわかりました。

 まったく知らない法医学の世界と、日本と韓国の文化の違いを
 興味深く読みました。★3つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・韓国では、父母が死んだときに泣き声がでなければ、あの一族は
  不幸者だと言われてしまうので、涙が実際にでていなくても、
  「アイゴー、アイゴー」と声をあげて泣く。(文)(p32)


 ・韓国の場合は国民の指紋を全部とって管理していますから、
  どんな死体でも指紋さえ残っているような状況であれば
  コンピューターを使って三分以内にわかります。(文)(p46)


 ・10年前、韓国旅行から帰った人に聞いた話である。
  日本の高校生が修学旅行に来ていた。・・・先生が今日のスケジュール
  などについて話をしていたが、生徒はガヤガヤお喋りをしたりふざけてりして、
  先生の話など聞いてはいない。それを見ていた掃除のおばさんが、
  「10年後、日本は滅びるだろう」と言ったというのである。(p212)


▼引用は、この本からです。

日本の死体 韓国の屍体
上野 正彦 文 国鎭
青春出版社 (2002/05)
売り上げランキング: 49975
おすすめ度の平均: 4.5
4 韓国の検死事情について学ぶところが大きい
5 日韓の死生観を興味深く比較することができた。

【私の評価】★★★☆☆


■関連書評■
a. 「これだけは知っておきたい日本・中国・韓国の歴史と問題点80」竹内 睦泰
【私の評価】★★★★★


b. 「日本人 中国人 韓国人」金文学
【私の評価】★★★☆☆


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