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2008年06月30日

「松下幸之助の実践心理術」 :92点, 松下幸之助, 赤塚行雄 

松下幸之助の実践心理術―「無」から「有」を生み出す究極の心理テクニック
【私の評価】★★★★★(92点)


■経営の神様 松下幸之助は、お客様だけでなく、
 社員も感動させてきました。

 そうした感動のエピソードを集めた一冊です。


■部下を3時間も叱りつづけるなど、
 激烈なエピソードもありますが、
 底辺にあるのは( 真剣さ )でしょう。

 それは仕事だけでなく、
 遊びにおいても( 真剣 )なのです。


■会社の行事などで、
 手違いからスケジュールを変更しなくてはならないことは
 よくあることだと思います。

 しかし、そんなとき松下幸之助は、たいがい
 「そんなに簡単に妥協するなら、やめてしまえ!」
 と、激怒して叫ぶのです。


  ・馬鹿もん!・・・いくら運動会というても、大事な大事な催しや!
   それを国旗掲揚はぶいてどないするんや!そんな横着して、
   一体どうするんや!おまえら、そうしたいんなら運動会はもう中止や!
   中止せい!(p143)


■そこには、こうした行事でさえ、
 ちょっとしたアクシデントに左右されるような
 心持では、真剣勝負の仕事においては死を意味するという
 直感、恐怖があったのではないかと思うのです。

 そうした「細かなところまで、こだわる真剣さ」を
 仕事だけでなく遊びでも追及し、
 社員にそうした経営哲学を伝えようとしていたのかもしれません。


  ・目に見えるものだけを大切にした経営は、決して
   最終的によくならんよ。目に見えない部分のもんをもっと
   大切にせんと、結局行き詰まるんや・・・「目に見えないもの」
   とは・・・「その会社にある経営哲学、理念だよ」(p148)


■なぜ、松下幸之助は人を感動させることができるのか?
 その一端を知ることができる一冊でした。

 知らないエピソードもありましたので、
 本の評価としては、★5つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・彼がもっとも恐れたのは、手抜きだった。・・・
   手抜きした仕事の結果云々が問題なのではなく、
   手抜きした過程で、それが「癖になってしまう」ことを、
   幸之助はもっとも恐れたのである。(p33)


  ・月給の社員への給料袋には、幸之助が一人一人、
   その人へのこれからの熱い期待と
   これまでの感謝を込めてメッセージが添えられていた。(p162)


  ・一人では貯まらない金も、二人だと将来の展望が立って、
   貯められる。不思議と、一人では苦しい生活が、
   二人になると食えるようになるものだ。(p102)


▼引用は、この本からです。

松下幸之助の実践心理術―「無」から「有」を生み出す究極の心理テクニック
赤塚 行雄
日本文芸社
売り上げランキング: 5043
おすすめ度の平均: 4.0
4 松下幸之助の生き方

【私の評価】★★★★★(92点)


■監修者紹介・・・赤塚 行雄(あかつか ゆきお)

 1930年生まれ。
 東大卒業、スタンフォード大学に留学後、日本大学助教授、
 長野大学教授などを経て評論家。中部大学教授。
 著書多数。

─────────────────

■関連書評■
a. 「人を見る眼 仕事を見る眼 松下幸之助エピソード集
【私の評価】★★★★★

b. 「続・志のみ持参」上甲 晃、致知出版社
【私の評価】★★★★★


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2008年04月09日

「幸福への原点回帰」鍵山 秀三郎、塚越 寛、文屋 :91点, 塚越寛, 鍵山秀三郎 

幸福への原点回帰
【私の評価】★★★★★(91点)


■イエローハット創業者の鍵山さんと、
 寒天製造の伊那食品の塚越さんとの対談です。

 イエローハットは売り上げ800億円企業、
 伊那食品は売り上げ150億円企業となっています。


■お二人の対談を聞いていて感じるのは、
 経営には、( 王道 )があるということです。

 ここで言う( 王道 )とは、
 会社を社会の役に立つ組織にしようという意志です。

 ・私は創業時から「大きい会社にしよう」と思っていたわけでは
  ありませんでした。そうではなく、「存在することそのものに
  意義のある会社にしたい」と思ってきました。(鍵山)(p104)


■そうした経営者の意志が、
 従業員に伝わり、社風が作られていくのでしょう。

 鍵山さんは「掃除」で有名になりましたが、
 「掃除」はその意志から出た一つの行動であり、
 その一部分なのです。

 ・掃除さえしていれば、経営も人生もすべてうまく行くというほど、
  世の中は単純ではありません。・・・トップが率先して掃除を毎日
  ことこつと続けることによって、謙虚でおだやかな人間性が育まれて
  気づきがよくなり、身辺が整理整頓されてきます。(鍵山)(p5)


■読み終わって家の掃除をはじめました。
 朝の習慣に、公園のトイレ掃除をするのもいいかもしれない。
 学ぶべき点が多い一冊でしたので、★5つとします。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・初めのころは、私がトイレ掃除をしている脇で平然と用を足す社員や、
  階段を拭いている私の腕を無言で飛びこえていく社員ばかりでした。
  ・・・10年を過ぎた頃から、社員が一人、二人と私の心を察し、
  いっしょに掃除するようになりました。(鍵山)(p22)


 ・当時最大のお得意先だった大手スーパーから法外な値切り要求を
  受けました。・・・結局、このお得意先には「取引をやめさせて
  いただきます」ときっぱりと宣言しました。(鍵山)(p77)


 ・私利私欲が根底にある行為は、発端がどんなに小さなことであっても、
  そのマイナス作業が次なるマイナスを呼び、それらが積もり積もって
  大きな悪循環を引き起こすでしょう。(塚越)(p116)


 ・「もうやめようか」という考えが湧くたびに、私は同じ結論に
  たどり着きました。それは、「昨日までの努力は、捨てるには
  惜しい努力であった」ということです。(鍵山)(p247)


 ・私が描いていた夢とは、「自分が死んだときに、この国が少しでも
  よくなっていれば、人間として生まれ、生きてきたことに意義がある。
  意義のある生を送ろう」ということでした。(鍵山)(p249)


▼引用は、この本からです。

幸福への原点回帰
幸福への原点回帰
posted with amazlet at 08.04.09
鍵山 秀三郎 塚越 寛
文屋
売り上げランキング: 12336
おすすめ度の平均: 5.0
5 この本を読まないことは人生の損失です

【私の評価】★★★★★(91点)


■著者紹介・・・鍵山 秀三郎(かぎやま ひでさぶろう)

 1933年生まれ。1953年デトロイト商会入社。
 1961年ローヤルを創業。
 1997年東証一部上場、社名をイエローハットに変更。
 1998年同社相談役。

■著者紹介・・・塚越 寛(つかこし ひろし)

 1937年生まれ。1958年伊那食品工業に入社。
 1983年代表取締役。
 1958年から48期連続増収増益を達成。
 2005年同社代表取締役会長。

─────────────────

■関連書評■
a. 「いい会社をつくりましょう」塚越 寛、文屋
【私の評価】★★★★☆

b. 「凡事徹底」鍵山秀三郎,致知出版社
【私の評価】★★★★☆


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2008年02月06日

「汗出せ、知恵出せ、もっと働け!」丹羽 宇一郎、文藝春秋 :90点, 丹羽宇一郎 

汗出せ、知恵出せ、もっと働け!―講演録ベストセレクション
【私の評価】★★★★★(90点)


■世の中には、現実を直視できる人が、
 ごくわずか存在します。
 私には、丹羽さんがその人だと感じました。

 丹羽さんに見えるのは、何もない日本です。
 食料なし、エネルギーなし、水なし・・・日本にあるのは、
 「日本人」とその勤勉さに裏打ちされた「技術」だけなのです。

 ・日本人よ、目を醒ませ。日本には日本人が食っていけるだけの
  天然資源はないのだぞ。あなたがたや私たちが稼ぐよりほか、
  これを手に入れる術はないのだぞ(p2)


■日本の法制度を含めた硬直性も
 問題です。法令遵守が国を滅ぼす・・・

 あまりに官僚と法律に縛られた民間企業は、
 日本では自由に活動ができないのです。
 
 ・武田薬品は、アメリカに研究所を移して、新薬の開発をしています。
  なぜなら、日本では規制が厳しすぎて、開発ができないからです。
  ・・・日本は確実に取り残されるでしょう。(p26)


■そして、税率も高い。

 ・たとえば法人税です。・・・同じ一兆円儲けても・・・
  実効税率は韓国27.5パーセント、日本は約40パーセントですから、
  一千億円余り違うのです。(p168)


■年金をくれ、道路を作れ、医者を増やせ・・・
 と要求ばかりの日本人ですが、
 そうした日本人を叱ってくれる一冊でした。

 文句を言う前に、自分で稼いで税金を納めればいいんですよ、
 と現実を教えてくれる一冊です。
 ★5つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・1973年にアメリカで大豆の輸出が禁止になったとき・・・
  もうアメリカに頼っていてはダメだ、と思いました。(p20)


 ・アメリカでは、(臓器)移植希望者が長蛇の列をつくっていますが、
  日本人はその行列に、大金を払って割り込んでいます。・・・
  日本人は金の力で何でもやれると思っているのかと、ものすごく
  評判が悪いんです。(p25)


 ・営業は、未知数のことをやるわけですから、失敗もする。
  管理部門は文句を言うだけです。しかし、文句を言うことが
  実行力であるかのように、間違って解釈されてしまうケースが
  きわめて多い。・・・管理タイプの人がどんどん昇進していけば、
  うちは管理会社になってしまうでしょう。(p108)


 ・飲み屋のお姉さんに給料の半分を払う。独身寮に三割ぐらい
  払って、あとのニ割は本代です。・・・本には相当なお金を
  つぎ込みました。(p58)


 ・省庁間の書類の字句の修正、政治家への「ご説明」、「ご進講」、
  国会の資料作りに忙殺されて、皆さんの先輩方は、何のために
  公務員になったのかわからないような仕事をしています。(p126)


▼引用は、この本からです。

汗出せ、知恵出せ、もっと働け!―講演録ベストセレクション
丹羽 宇一郎
文芸春秋 (2007/11)
売り上げランキング: 1930
おすすめ度の平均: 5.0
5 広い層に参考になる内容
5 人の強さというもの

【私の評価】★★★★★(90点)


■著者紹介・・・丹羽 宇一郎(にわ ういちろう)

 1939年生まれ。62年大学卒業後、伊藤忠商事入社。
 一貫して食料畑を歩む。68年から9年間アメリカ駐在。
 98年に社長就任。99年に不良資産を一括処理。
 社長任期6年の公約どおり04年から会長に退く。

─────────────────

■関連書評■
a. 「人は仕事で磨かれる」丹羽 宇一郎、文藝春秋
【私の評価】★★★☆☆

b. 「人間発見 私の経営哲学」日本経済新聞社
【私の評価】★★★☆☆


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2007年11月18日

「バーキンソンのビジネス金言集129」 :91点, C・パーキンソン, M・ルストムジ 

 

・一つの意思決定もおろそかにするな・・・
  意思決定は基本方針と見なされ、その意思決定は他のすべての
  同じような状況に適用されていく可能性があることを、
  常に銘記しておかなくてはならない。

▼引用は、この本からです。
パーキンソンのビジネス金言集129
C・パーキンソン、M・ルストムジ、三笠書房(1998/01)¥520
【私の評価】★★★★★(91点)


■トイレで、昔読んだ「ビジネス金言集」を手にしました。

 読み直してみると、地味な本ながら、
 本質を突いた素晴らしい助言がならんでいます。


■今日の名言では、
 トップ(上司)の判断の大切さを指摘しています。

 部下は上司の言動を常に気にしていますので、
 一つひとつの判断が、部下にとっては前例となって
 その後の判断の基準となるということです。


■ですから、その時その時で、トップの判断に矛盾があると、
 部下は混乱します。
 この人はどんな判断基準を持っているんだ?
 ということです。


■組織のトップの言動、判断は、
 部下から見ると、絶対的な前例となって
 組織の判断基準として使われていくということを
 理解していなくてはなりません。


■10年前の本ですが、組織のリーダーへの
 本質を突いた助言がいっぱい詰まっています。
 今、管理職の人、または管理職以上を目指す人にお勧めします。


パーキンソンのビジネス金言集129
C・パーキンソン、M・ルストムジ、三笠書房(1998/01)¥520
【私の評価】★★★★★(91点)


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2007年08月27日

「人を見る眼 仕事を見る眼 松下幸之助エピソード集」PHP研究所 :96点, 松下幸之助 

人を見る眼・仕事を見る眼―松下幸之助エピソード集
【私の評価】★★★★★(96点)


■著者紹介・・・PHP研究所

 松下幸之助によって創設された出版社、シンクタンク。
 松下幸之助の「物心両面の繁栄により、平和と幸福を実現していく」という
 思想Peace and Happiness through Prosperity(繁栄による平和と幸福)
 を実現するため、雑誌、本の出版、PHPの理念広報、国家政策提言、
 「PHPゼミナール」などの啓発セミナーなどを行なっている。


─────────────────

●松下幸之助のエピソードを集めた一冊です。

 松下幸之助がいかにして人を育てたのか、
 エピソードを通してよくわかる至宝の一冊になっています。


●松下幸之助は、「経営のコツを悟れば百万両や」と言っています。
 では、経営のコツとはなんでしょうか。

 私は数多くの松下幸之助の本を読んできましたが、
 経営のコツはこれや、と明確にされたものはありませんでした。

 ただ、計画したことに対して、細かいところにも気を使い、
 執念を持ってそのとおり実行することを
 松下幸之助が大切にしていたというエピソードが多数あります。


●例えば、ある新設工場の竣工式において、
 松下幸之助は豪華な神棚を、質素な神棚に変更するよう指示します。

 工場長は徹夜で質素なものを探し、
 なんとか間に合わせることができました。

 式典が終了した後に、工場長は幸之助の部屋に呼ばれて、
 神棚を手配したときの苦労を工場長に聞きました。

 そして、松下幸之助は「苦労しました」という工場長に、

 「授業料をくれ、僕は君に経営のコツを身をもって教えてやったんや」
 と授業料を請求したのです。


●細かいことに注意すること、しっかり計画どおりにやること・・・
 ここらへんに経営の真髄があるのかもしれません。

 ・「実は、開会式の式次第を若干変更したいと思うんですが・・・」・・・
  「何やて、そら、君、あかんよ。・・・最初から国旗をあげとくというんでは
  話にならんがな。仕事も遊びもいっしょや。しっかり計画どおりにやることが
  大切なんや。・・・もしそんなことならやめてしまったらええ」(p76)


●松下幸之助の伝説となったエピソード集です。
 そこには、人間に対する深い洞察と、経営のヒントが満載されています。

 もし、この本を読んで、経営のコツがわかったら、
 この本の価値は百万両(3000億円)となるでしょう。
 ★5つとしました。

─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・パッと新聞を見たとき、これが一部なんぼぐらいにつくものか、
  なんぼぐらい発行されているのか、そういうことに興味をもたんようでは
  あかんやないか。・・・ただ持っていけと言われて、
  ハイと言って持ってくるだけだったら、子どもと同じじゃないか。(p50)


 ・いくら明日の仕事にさしつかえても、もし品質のよくない製品を
  売るようなことをしたら、お客さんに申し訳ないやないか。それは
  もう主任に相談するまでもなくすぐに返品しなさい!(p85)


 ・「石炭に聞いてみることですね・・・政府は石炭が大事だから大いに
  増産しようと言う一方で、その値段をできるだけ安く抑えようとして
  います。・・・これでは石炭は出てきたがらないですよ。(p150)


▼引用は、この本からです。

人を見る眼・仕事を見る眼―松下幸之助エピソード集
PHP研究所
PHP研究所 (1990/05)
売り上げランキング: 201

【私の評価】★★★★★(96点)

■関連書評■
a. 「人の用い方」井原 隆一、日本経営合理化協会
【私の評価】★★★★★

b. 「続・志のみ持参」上甲 晃、致知出版社
【私の評価】★★★★★


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2007年08月03日

「26歳、熱血社長、年商70億の男」杉本 宏之、経済界 :90点, 杉本宏之 

26歳、熱血社長、年商70億の男―倒産寸前から、劇的なV字回復を遂げた男達の闘い
【私の評価】★★★★★(90点)


■著者紹介・・・杉本 宏之(すぎもと ひろゆき)

 1977年生まれ。19歳で不動産会社に就職。
 3年間トップセールス。
 24歳の時に独立し、エスグランドコーポレーションを設立。


─────────────────


●蒸し暑い日が続きますが、この本も熱い一冊です。
 これだけ熱い本ははじめてでした。

 その熱さに、著者が24歳で独立したときには、
 会社の部下が15人もついてきました。

 ・「杉本課長のおかげでここまできたんだから、
   課長についていくまでです。どんな会社であろうとやります。」
  そう言ってくれた。(p53)


●しかし、実績のない会社が順調に成長するほど、
 世の中は甘くありません。

 資本金の4000万円はすぐに底をつき、
 出資者に追加の借金をお願いすることになりました。


●言い訳をする著者に、出資者は、
 「おまえは本気でない・・・言い訳だけじゃないか・・・
  経営者として失格・・・」と厳しい言葉を浴びせます。

 そこで著者はやっと目を覚ましました。
 自分は慢心していた。環境のせいにして言い訳だけしていた。
 本気をだしていなかったのです。

 ・トップセールスマンとして、華やかな生活をしているうちに・・・
  泥まみれの19年間を忘れてしまったのだ。・・・すべてを周りの
  状況のせいにしていた。・・・全部、俺の責任じゃないか。(p71)


●その後は、社員が一体となって、業績を上げていくのですが、
 本当に涙がいっぱい出てきます。

 恵まれた現代社会ですが、
 本当はだれでも涙を流すくらい真剣に打ち込めるプロジェクトを
 やってみたいと思っているのではないかと思いました。


●その後の上場までを書いた「1R男」という本もありましたが、
 こちらは紹介するレベルにありませんでしたので、
 同じ人でも書き方でこれほど違う仕上がりになるのは不思議です。

 とにかく熱い一冊ということで、★5つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・松下幸之助氏が言った、次のような言葉がある。
  「賢い人と偉い人は違う。賢い人は物知りで頭のいい人だが、
   こういう人が実は国を滅ぼすのだ。偉い人とは山や谷を乗り越えた
   回数が多い人だ。・・・この人にはだれもが頭が下がる」(p115)


 ・何よりの武器は、再び金に窮するような生活に戻りたくないという、
  強烈なハングリー精神だった。19年間の生活を思えば、セールス
  という難しい仕事も、まったく苦労ではなかった。母の涙を思い出せば、
  自分には涙を流す資格もないと思った。(p37)


 ・杉本社長(当時は課長)はやさしさと激しさがない交ぜになっていた。
  部下からすると、怖いし、しかし頼りがいになる人だった。
  (p150)


▼引用は、この本からです。

26歳、熱血社長、年商70億の男―倒産寸前から、劇的なV字回復を遂げた男達の闘い
杉本 宏之
経済界 (2004/03)
売り上げランキング: 2261
おすすめ度の平均: 4.5
5 熱い
5 平成の世の中での珍しい生い立ちと成功
1 成功の自叙伝で経営を云々・・・

【私の評価】★★★★★(90点)


■関連書評■
a. 「経営心得帖」松下幸之助、
【私の評価】★★★★★

b. 「運を掴む」横内 祐一郎
【私の評価】★★★★★

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2007年07月09日

「ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する」島田紳助、幻冬舎 :94点, 島田紳助 

ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学 (幻冬舎新書 し 4-1)
ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する」島田 紳助 幻冬舎(2007/05)¥735 【私の評価】★★★★★(94点)


■著者紹介・・・島田 紳助(しまだ しんすけ)

 1956年生まれ。吉本興業所属。
 テレビのレギュラー番組に多数出演する一方で、
 喫茶店、寿司屋など複数の飲食店ビジネスを展開。


─────────────────

●テレビでよく見かける島田 紳助さんが、
 飲食店ビジネスも手がけているのは初めて知りました。

 しかし、これが儲かっているという。


●島田 紳助さんがビジネスをやる理由は、
 自分の能力を確かめるためだそうです。

 漫才で十分な富は得ていますので、
 自分は有能であるということを証明したいのです。

 人間は、どこまでいっても自己重要感が欲しいのですね。

 ・芸能界とは違う世界でも成功して、
  たまたまや偶然じゃなかったことを自分に証明するために
  僕はビジネスをしているのだ。(p62)


●ビジネスで失敗したことがないと豪語するだけあって、
 マーケティングのコンサルタント顔負けの
 知識を持っていることが伺えます。

 やはり大切なのは、
 客の目線でお店を見るということでしょう。

 ・店の場合は、客として素直な目でお店を見ることが、アイデアの基本になる。
  ・・・ある店に、とんでもなく感じの悪いおばちゃんの店員がいる。
  あの人が一人いなくなるだけでも、店の売り上げが20パーセント
  増えるんじゃないかと僕は思っている。・・・経営者は気づいていない。(p84)


●また、ビジネスでは、オーナーとしてのアイディアも大切ですが、
 それを実行する経営者も必要となります。

 島田 紳助さんは、その点でも人を見る目があるようです。

 ・僕が失敗しないのは、自分で店を経営しないからだ。
  ・・・飽きることなく一所懸命にやれる人を探す。・・・
  こっちが惚れ惚れするような人間と一緒にチームを作るのだ。(p92)


●ビジネスの話でありながら、
 人生の話になってしまう。

 島田 紳助さんも歳をとりましたね。
 島田 紳助さんの至玉の人生の談義を聞きたい経営者に
 お薦めします。★5つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・ビジネスで成功している人は、概ね変な人が多い。
  いや、これは悪い意味ではなくて、良い意味で、
  極めつきの変わり者が少なくない。(p23)


 ・入社試験の面接で「御社のために身を粉にして働きます」
  なんて言う人もいるらしいけれど、それは嘘だと思う。・・・
  正確には「御社のために身を粉にして働くのが、自分のためになると
  信じている」と言うべきだ。(p38)


 ・ベンツも買った。フェラーリも買った。
  山奥に借金までしてサッカー場のある家も建てた。・・・
  だけど、これまでの人生で何がいちばん嬉しかったか?と問われたら、
  やっぱり「16歳の誕生日に父親が買ってくれたバイク」と答える。(p152)


▼引用は、この本からです。

ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学
島田 紳助
幻冬舎 (2007/05)
売り上げランキング: 22
おすすめ度の平均: 4.5
4 紳助流ビジネス論
5 感動しました
3 サイドビジネスのすすめ?

【私の評価】★★★★★(94点)


■関連書評■
a. 「ダントツ飲食店の繁盛ノート」大久保 一彦、加藤 雅彦
【私の評価】★★★★★

b. 「会社、辞めます。私、たこやき屋になります」住友由貴子
【私の評価】★★★★★


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2007年01月02日

「経営パワーの危機」 :93点, 三枝匡 

経営パワーの危機―熱き心を失っていないか
三枝 匡
日本経済新聞社
売り上げランキング: 77954
おすすめ度の平均: 4.5
4 ストーリーに没頭し かつ 戦略の基本ルールが学べた
5 出世することは正しい動機で
4 良書です。

【私の評価】★★★★★(93点)


■著者紹介・・・三枝 匡(さえぐさ ただし)

 1944年生まれ。三井石油化学に入社。75年スタンフォード大学MBA。
 ボストン・コンサルティング・グループに転職。
 その後、バクスター社、大塚電子、テクノインベストメントの代表取締役。
 86年三枝匡事務所を開設。事業再建のため、役員、事業部長、監査役
 などの立場で企業に参画する。2002年よりミスミ代表取締役。


●サラリーマン生活をしていると、よほど自覚しないと
 ( 経営 )というものを考える機会は少ないものです。

 また、宮仕えの特性として危機感も少なく、
 前からの仕事を継続していくことを考えるものです。

 ・会社の危機と社員の危機感は必ずしも相関しない。
  むしろ業績の悪い会社ほどたるんだ雰囲気であることが多い。
  ・・・優秀な経営者は危機感を人為的に創り出す。(p16)


●それを個人の資質の問題とするのは簡単ですが、

 この本では、企業を引っ張っていくリーダーを育成するためには、
 若いうちからリーダーの候補を子会社の社長など
 ( 経営 )の経験をさせることを提唱しています。

 ・高成長を狙う小企業のトップは大企業の社長に劣らない難しい
  経営判断を次々と迫られ、短期間に凝集した経営経験を積む。
  (p93)


●そして、選抜された経営者候補が、子会社の再建などに投入されたとき、
 どのような経験をするのか、この本では仮想体験することができるのです。

 著者も同じように若くして経営を任された経験を持つことから、
 ストーリーの設定と解説は、秀逸です。


●カルロス・ゴーンも若くして経営者として育成されましたが、
 日本ではそうした育成をする会社はほとんどないでしょう。

 ないからこそ、この本を読んで仮想体験していただきたいと感じました。

 ストーリー仕立てで読みやすく、リーダーにふさわしい
 仮想体験ができる一冊ということで、★5つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・高リスク投資で少ない案件から投資先を選ぶのは素人のやり方で
  失敗率が高まる。リスク投資ばかりを行う米国のベンチャーキャピタルは
  ・・・広い情報網から案件を集め、100件に一件くらいの割で厳選する。
  (p35)


 ・[皆でやる=誰もしていない]
  一人の社員に複数の仕事を兼務させることがやたらに好きな
  企業は辻褄あわせをしているだけのことが多い。トップが
  「皆でやれ」というのも危険信号だ。(p206)


 ・花王がトップからボトムまでデータにこだわり、
  「成功しても反省を繰り返す」と言われているのは、
  会社全体で失敗の疑似体験を蓄積するカルチャーを
  作ったからである。(p247)


▼引用は、この本からです。
経営パワーの危機」三枝 匡、日本経済新聞社(1994/9)¥1,631
【私の評価】★★★★★(93点)


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2006年12月26日

「人の用い方」井原 隆一 :93点, 井原隆一 

人の用い方
人の用い方
posted with amazlet on 06.12.25
井原 隆一
日本経営合理化協会出版局
売り上げランキング: 805044
【私の評価】★★★★★(93点)


■著者紹介・・・井原 隆一(いはら りゅういち)
 
 1910年生まれ。14歳で埼玉銀行に入行。20歳で父親の莫大な
 借金を背負い、銀行から帰ると家業をこなし、寝る間も惜しんで借金完済。

 その間、並はずれた向学心から独学で法律、経済、経営、
 宗教、歴史を修めた。最年少で課長に抜擢される。

 証券課長時代にはスターリン暴落を予測し、
 直前に保有株式証券をすべて整理。 経理部長時代には
 日本で初めてコンピューターによるオンラインを導入する。
 各部長、常務、専務を歴任。

 1970年、大赤字と労働争議で危地に陥った日本光電工業に入り、
 独自の再建策を打ち出し短期間に大幅黒字無借金の超優良会社に甦らせる。

 その後も数々の企業再建に尽力。名経営者としての評判が高い。


●20歳で年収の10倍以上の借金を背負った井原 隆一氏は、
 金なし、学歴なし、銀行の収入では利子も払えないという
 状況に陥ります。

 そのような状況でありながら、
 井原 隆一氏は、自分の生涯を次のように設計しました。

 ・私は二十歳のときに生涯設計として、
  二十歳代は法律の勉強
  三十歳代は宗教、哲学、歴史の勉強
  四十歳代は経済、経営の勉強
  五十歳代は蓄財
  六十歳以上は晴耕雨読と定め、また生涯信条として、厳しさ、時代の変化、
  自己能力の限界、疑問(先見)の四つに挑戦することを定めた。(p205)


●現在なら、自己破産するような状況のなかで、
 このような生涯設計を作る人が、はたしているでしょうか?

 その後、著者は、昼は銀行、夜は畑仕事をしながら、
 勉学に励み、小学校卒ながら最年少課長に抜擢されます。

 ・楽天主義というと、困難も知らず呑気にかまえている人のことをいうが、
  真の楽天主義とは、「不可能の壁は破れる」と信じて、それに挑む人間と
  理解している。(p353)


●この本では主に経営者としての心得が説明されていますが、
 その要諦は、賞罰のバランスのようです。

 厳しい中に、心温まるものがある。
 優しさの中に、厳しい原則を持っている。
 そうした相反する要素が、リーダーには必要なのです。

 ・『言志四録』に・・・(賞罰は世間の情勢次第で重くも軽くも
  すべきであるが、その割合は賞を十中の七、罰を十中の三程度に
  するのがよい)とある。(p168)


●そして、トップが気をつけるべきことは、
 自己過信、つまり、傲(おごり)であるといいます。

 調子の良いときにこそ、将来の禍根に備えて、
 準備することこそ、大切であるということです。(これが実に難しい)

 ・「人生の大病は、只だ是れ一つの傲(おごり)の字なり」という
  言葉がある。人の一生でいちばん害となるのは傲(おごり)の一字
  につきる、という意味である。(p66)


●この本を読んでも、すぐに名経営者にはなれないでしょう。

 ただ、みずからがリーダーの立場に立ち、壁にぶつかったときに、
 「あっ、この状況はあの本に書いてあったことだ」と
 気づくことが大切なのだと思います。

 ・何ごとによらず、実践して学び、学んで実践することは、
  立派な成果を得るためには欠くことができない。
  学んで行わないのは学ばないのと同じで、行うために学ぶのである。(p219)


●リーダーとして普遍の法則を教えてくれる不朽の名著です。
 経営者、企業のリーダーとなる人にお勧めします。
 ★5つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・昔の大名は足軽のわらじの裏まで知っていなければ
  ならなかった。しかし、足軽の仕事をしてはならない。(p27)


 ・何をいわれても、どんなことに出会っても、すべて自己成長のためと
  思えば苦も楽しみになる。給料を与えて自分を成長させてくれるのが
  会社と考えれば不平不満も吹き飛ぶ。(p39)


 ・とかく人間は小才を誇り、小成を鼻にかけ謙虚を忘れる。・・・
  身を慎み、へりくだっているような人からは
  底知れない力を感じるものである。(p60)


 ・昔、兵を率いる将は温情を持って教育し、
  平素から軍の規律の徹底につとめて統制を図った。
  つまり、愛情のなかにも厳しさを忘れてはならないということである。
  (p110)


 ・よく「それは理想論だ」「困難だ」「不可能だ」といって
  片づけたがる人もあるが、これでは多くの人を率いることも
  不可能になるだろう。志をたてても困難も厳しさもない、まして
  行き詰まることもないというような志は、だれにもできる平易な
  ことでしかない。そんな志ならたてないほうがよい。(p126)


 ・公利、私利の混同の原因は、会社の私物化にある。会社に
  百%出資していたとしても会社は公的なもの、私物ではない。
  そこを履き違えるから混同がおこる。(p139)


 ・好況とは、不況のために天が与えてくれたものだ。・・・
  いついかなる災害にみまわれるかもしれない。そうした万一の
  場合も含めて好況時に備えておくのが経営責任というものだ。(p143)


 ・人生成功の近道は歴史、言い換えれば先賢の知恵を借りることにある。
  ところが、合理主義を唱えている人であっても、「読書など忙しくてやれない」
  という。忙しいから学ぶのであるといっても理解できない。(p223)


 ・私の日課を孫が、「学校の時間割りのようだ」といっていたが、
  在宅日の私の日課は起床から就寝まで、何から始めて、終わりは何と
  いうように決まっている。・・・早寝、早起きは若いころからのもの。
  それに会社勤め時代から、日曜や休日というものがない。平日どおり
  起きて、働き、寝るわけだ。読書、執筆はもっぱら午前中にしている。(p334)


 ・ある人は、「最高の地位につくと、かねの力が見えなくなる。自由に
  使えるからだ。次に人材が見えなくなる。おべっかをいう人間が集まって、
  真の人材が近寄りがたくなるからだ。こうなると最高権力者は野たれ死にする
  ことになる」といっている。(p433)


▼引用は、この本からです。
人の用い方井原 隆一日本経営合理化協会(1991/11)¥10,100
【私の評価】★★★★★


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2006年09月05日

「だから、部下がついてこない!」 :92点, 島津良智 

だから、部下がついてこない!
嶋津 良智
日本実業出版社 (2006/08/25)
【私の評価】★★★★★(92点)


■著者紹介・・・島津 良智(しまず よしのり)
 
 1965年生まれ。大学卒業後、株式会社フォーバルに入社し、
 トップセールスマンとなり、24歳で営業部長に抜擢される。
 28歳で株式会社リンクを設立して独立。翌年、レカムジャパンを設立。
 その6年後に株式上場を果たす。
 2005年、カルチャー・アセット・マネジメント株式会社を設立し、
 ペイフォワードビジネスカレッジを主宰。リーダーの育成に取り組む。


●24歳から上司として部下の育成に取り組み、
 数多くの失敗、成功を体験した著者のノウハウは、
 とにかく具体的であるのが本書の特徴です。

 ・私の危機管理はいつも「イエローライン戦略」です。・・・
  来月の目標や戦略を立てるときに、「来月この時点で、ここまで
  到達できていなければ、黄色信号」というラインを決めておく
  ことです。(p104)


●そのノウハウは、ほとんどが、いかに部下のモチベーションを上げるか
 ということであり、まさに「上司道」というべきものです。

 ・A案とB案があって、どちらも大差はないと思えるとき、私は
  積極的に部下の意見を採用します。・・・部下のモチベーションを
  上げられるなら、部下の意見を採用したほうがよいでしょう。(p115)


●上司とは直接仕事はしませんが、
 上司が右に行けといえば、部下は右に行きますし、
 左に行けといえば、部下は左に行きますから、
 そのチームの成果は上司の責任といえるでしょう。

 ですから、上司の一言、一つの判断がチームに
 大きな影響を与えるのです。

 ・上司の三大禁句は、「疲れた」、「時間がない」、「忙しい」です。

 ・判断の基準として、経営理念が必要なのです。・・・
  判断基準に経営理念をもっていれば、考え方がぶれにくくなり、
  一貫した意思決定ができるようになります。(p184)


●シンプルな内容となっていますが、だからこそ本物の上司の知恵
 であるという印象でした。

 上司(課長)というポジションの人には必読の一冊と思いましたので、
 星5つとします。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・人はちょっとした選択に迫られたとき、案外「どうせやっても、
  やらなくても同じだよ」と考えてしまいがちです。でも、
  そういったときにこそ、「やらないより、やったほうがいいよな」
  という言葉をつぶやいてみてください。(p66)


 ・「任せる」と「報告させる」はワンセット(p83)


▼引用は、この本からです。
だから、部下がついてこない!」島津 良智、日本実業出版社(2006/8)¥1,470
【私の評価】★★★★★(92点)
(Amazon: http://www.1bk.biz/904.html )←(詳細はこちらをクリック)


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