「叱り叱られの記」後藤清一、日本実業出版社
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(私の評価:★★★★☆)
●多くの本を読むなかで気がついたことですが、成功している人、お金持ちの人は、「私は運がよかった」とよく言っています。「夢を持った、苦労した、でも運良く成功した」こういう感じです。
●でも本当に運なのでしょうか。ポイントは「苦労した」というところで、この中身が問題です。成功している人は真剣に苦労しています。そして、諦めません。成功するまで、工夫するのです。その真剣さが運をひきつけます。
●ですから、これは運ではないのですが、そこを「運がよかった」ということで、謙虚に次の成功に進めるのでしょう。
●この本で私が共感したところは次のとおりです。
・私情にかられてのそれ(叱る)はいけないけれども、ものの道理にはずれたことをした人には真剣に叱る、それは人情を超えた、人間としての大切なつとめの一つではないだろうか。(松下幸之助)
・(松下幸之助は)甘やかせたり、ベタ褒めする、ということもされなかった。厳しくする時には厳しく筋を通す。一方、功績があれば、それを認めて褒める。何でもないことのようだが、これを自然に行うということは、なかなかむずかしいことであろう。
・「できるだけやります」-これほど人を侮蔑したことばはない。初めから逃げ道をつくっての返答。私のもっとも嫌うところである。
・(松下幸之助は)社員をなんとか一人前にしてやろうという愛情、あふれ出るような正義感、さらに方針というか、ひとつの企業の理想像を持っておられた。そのどれにふれても雷が落ちる。
・松下という人は、つねに遠くを見ている。その遠くから、現在只今にグッと二本のレールを敷く。そしてそのレールの上をひた走った感がある。あの激しさは、それ以外の何物からくるものではない。松下の経営はこうあるべきや。松下の社員はかくあるべしや。大将の頭の中には、理想がある。理想の経営というものに対する動機づけ、方向づけに寄せるあふれ出るような意欲と気迫だ。
●この本は、松下幸之助、井植歳男という二大経営者に仕えた後藤清一氏の経験を綴った書です。やはりなんといっても、前半の松下幸之助、井植歳男とのやり取り、経験談が圧巻です。ただ、呆然と読み進む私がいました。「これでは、だれでも松下電器のために命をかけて働くな」というのが読後の感想です。
「叱り叱られの記」後藤清一、日本実業出版社
